GA4のeコマース設定については、2022年8月より、新しい方法が利用可能になりました。このページで紹介してある方法でも設定できますが、新しい方法では、設定に必要な工数が少なくなっておりますので、下記の記事もご参照ください。
2022年4月14日に開催さたオンラインセミナーの内容です。
当日のセミナー動画
このセミナーのテキストのダウンロードはこちらから

eコマース設定をしておくと、どんなことが分かるか

レポート > ライフサイクル > 収益化 > eコマース購入数
赤線の枠の表について解説します。

上記の(1)~(7)の解説が下記にあります。
No. | 項目 | 意味 |
(1) | アイテムの表示回数 | アイテムの詳細が表示された回数。 |
(2) | カートに追加 | ユーザーがショッピングカートにアイテムを追加した回数。 |
(3) | 表示後にカートに追加された商品の割合 | カートに商品を追加したユーザー数を、同じ商品を表示したユーザー数で割った値。 |
(4) | eコマース購入数 | ユーザーが購入手続きを完了した回数。 |
(5) | 表示後購入された商品の割合 | 商品を購入したユーザーの数を、同じ商品を表示したユーザー数で割った値。 |
(6) | 商品の購入数量 | 購入イベントに含まれる一つのアイテムの数量。 |
(7) | アイテムの収益 | アイテム毎の合計収益(税金と配送料を除く) |

たとえば「リンク先ページ(英語名:Landing Page)」の列を追加すると、入口ページ毎に、アイテムの販売状況を把握することができます。
(解説)「リンク先ページ」(英語画面でLandding Page)

本日の内容=eコマースに関わる9つのイベント

「 e コマース(GA4)デベロッパー ガイド」(公式ヘルプ: https://developers.google.com/tag-manager/ecommerce-ga4?hl=ja )では、eコマースに関わる9つのイベントの解説が掲載されています(左の表)。この9つのイベントは全て、第3回の「イベント設定」の回でご紹介した「推奨イベント:オンライン販売」(右の表)に含まれています。
※はじめに、第3回で取り上げたイベント「purchase」の設定を振り返ります。
推奨イベント 設定例 purchase

ここでは、当セミナーのサイトのセミナー登録完了ページを購入完了ページ見立てて、下記のような構成で、推奨イベント、purchaseを設定してみます。
データレイヤーに書き込まれた情報を、GTMで取得して、GA4に送信します。
「どうしてもデータレイヤーが必要なのか?」については、弊社GA4サイトの解説記事もご参照ください。

purchaseのdataLayerの書き方
公式ヘルプ:
https://developers.google.com/tag-manager/enhanced-ecommerce?hl=ja
(例)セミナー4回目の申し込み完了を、購入完了に見立てて、purchaseのdataLayerを書いている。
(備考)
「このテキストのdataLayerはGA4用のものとなっております。既にUAで拡張eコマースなど利用していてdataLayerが存在する場合、後述のGTMでの変数設定方法が変更となります。dataLayer側の記述をGA4用に書き直すか、あるいは、andaにご相談ください」
解説:window.dataLayer = window.dataLayer || [];
<script>
window.dataLayer = window.dataLayer || [];
dataLayer.push({
event: "purchase",
ecommerce: {
(以下省略)
window.dataLayer = window.dataLayer || [];
について解説します。
dataLayerはJavaScriptで「配列」と呼ばれるものになります。
「配列」は中にいろいろな要素をリスト形式で保有することができるもので、
そして「配列」はその要素を追加・削除・検索など行うことが可能です。
dataLayerは「継ぎ足し継ぎ足ししていく」のが本来的な使い方です。
window.dataLayer = window.dataLayer || [];
は、「dataLayerという名前で配列を新規作成する」というものになります。
GTMはページ上にdataLayerという配列が存在したらそちらを利用する形です。
(存在しない場合はGTMが勝手に作成します)
そして、dataLayer.push()というのは上で触れた「配列に要素を追加する」ものとなり、()の中身をdataLayerに追加する、という文法になっています。 これによって、「作成した配列に対してpurchase用のデータを追加する」形になります。
推奨イベント 設定例 purchase GTMのデータレイヤー変数
データレイヤー変数の追加



「変数タイプを選択」で「データレイヤーの変数」を選択。

データレイヤー変数「ecommerce.transaction_id」の設定例です。
他の変数も同様に設定していきます。
資料:商品アイテム(itemes)データ
商品アイテム(items)の パラメータ名 | 説明 |
item_id | 商品アイテム ID(SKU) |
item_name | 商品アイテム名 |
quantity | アイテムの数量 |
item_brand | 商品アイテムのブランド |
item_category | 商品アイテム カテゴリ |
item_category2 | 商品アイテムに多数のカテゴリがある場合に利用します。 |
item_category3 | 商品アイテムに多数のカテゴリがある場合に利用します。 |
item_category4 | 商品アイテムに多数のカテゴリがある場合に利用します。 |
item_category5 | 商品アイテムに多数のカテゴリがある場合に利用します。 |
item_variant | 商品アイテムのバリエーション |
price | 指定された通貨パラメータの単位で表した商品アイテムの価格 |
currency | 通貨(3 文字の ISO 4217 形式) |
tax | 取引に関連付けられた税金 |
affiliation | 仕入れ先業者や実店舗を指定する商品アフィリエーション |
coupon | 購入に使用されたクーポンコード |
discount | 購入に関連付けられた割引の金銭的価値 |
推奨イベント 設定例 purchase GTMのデータレイヤー変数

「ecommerce.transaction_id」と同じ方法で、イベント「purchase」で使用するデータレイヤー変数を一通り追加しました。

dataLayerを購入完了ページに相当するページに実装します。ここでは、セミナー申込完了を商品の購入完了に見立てて記述してあります。
(今回下記のdataLayerを実装したGA4のセミナーページ:
https://ga4-quick.and-aaa.com/ga4_seminar_thanks/ga4_thanks20220324.html)

トリガーのタイプは、「カスタム イベント」を使用しています。

イベント「purchase」のために、タグを新規で一つ作ります。設定は上記の通りです。

ライフサイクル > 収益化 > e コマース購入数
どのアイテムが幾つ売れたかがレポートで確認できます。
「 e コマース(GA4)デベロッパー ガイド」9つのイベントでストーリを見る
「 e コマース(GA4)デベロッパー ガイド」(公式ヘルプ: https://developers.google.com/tag-manager/ecommerce-ga4?hl=ja )

公式ヘルプの一覧表だと、「買い物の流れ」をイメージしにくいかも知れません。
以下で「買い物の流れ」の例を見て、その順番に、Eコマースのイベントの設定例を見ていきます。
ECに関わるイベントの流れの例



(1) view_promotion
実際にアップしてあるテスト用ファイル:
https://ga4-quick.and-aaa.com/ec_test/view_promotion.html
view_promotion – DataLayer

「 e コマース(GA4)デベロッパー ガイド」(公式ヘルプ: https://developers.google.com/tag-manager/ecommerce-ga4?hl=ja )
view_promotion – GTM トリガー

トリガーのタイプは、「カスタム イベント」を使用しています。
view_promotion – GTM タグ

(2) select_promotion
実際にアップしてあるテスト用ファイル:
https://ga4-quick.and-aaa.com/ec_test/select_promotion.html
select_promotion – DataLayer

「 e コマース(GA4)デベロッパー ガイド」(公式ヘルプ: https://developers.google.com/tag-manager/ecommerce-ga4?hl=ja )
select_promotionの運用例をご紹介します。ここでは、「dataLayerを発火させる関数」と「リンク要素」で運用します。

こちらの関数は、ページ上のどこかに一回だけ記述します。「リンク要素」(後述)のdata-*****(次ページに掲載)を抽出し、それをdataLayerの形式に組み立てて、組み立て後にdataLayerを発火させる関数です。

こちらはリンク要素です。このリンクがクリックされた時に、前ページで見た関数に、 data-の値が渡されます。

select_promotion – HTML、トリガー

HTMLソースとGTMのトリガー
select_promotion – GTM タグ

(3) view_item_list
実際にアップしてあるテスト用ファイル:
https://ga4-quick.and-aaa.com/ec_test/view_item_list.html
(3) view_item_list – dataLayer

view_item_list – GTM トリガー

トリガーのタイプは、「カスタム イベント」を使用しています。
view_item_list – GTM タグ

(4) select_item
実際にアップしてあるテスト用ファイル:
https://ga4-quick.and-aaa.com/ec_test/select_item.html
select_item – dataLayer

select_item – dataLayer



elect_item – HTMLソースとGTMのトリガー

elect_item – GTM タグ

(5) view_item
実際にアップしてあるテスト用ファイル:
https://ga4-quick.and-aaa.com/ec_test/view_item.html
view_item – dataLayer

view_item – GTM トリガー

view_item – GTM タグ

(6)-(a) add_to_cart
実際にアップしてあるテスト用ファイル:
https://ga4-quick.and-aaa.com/ec_test/add_to_cart.html
add_to_cart – dataLayer

add_to_cart – HTMLソースとGTMのトリガー

add_to_cart – GTM タグ

(6)-(b) remove_from_cart
実際にアップしてあるテスト用ファイル:
https://ga4-quick.and-aaa.com/ec_test/remove_from_cart.html
remove_from_cart – dataLayer

remove_from_cart – HTMLソースとGTMのトリガー

remove_from_cart – GTM タグ

(7) begin_checkout
実際にアップしてあるテスト用ファイル:
https://ga4-quick.and-aaa.com/ec_test/begin_checkout.html
begin_checkout – dataLayer

begin_checkout – HTMLソースとGTMのトリガー

begin_checkout – GTM タグ

(8) purchase ※「purchase」は冒頭で取り上げましたが、購入の流れに従って、再び取り上げています。
実際にアップしてあるテスト用ファイル:
https://ga4-quick.and-aaa.com/ec_test/purchase.html
purchase – dataLayer

purchase – GTM トリガー

トリガーのタイプは、「カスタム イベント」を使用しています。
purchase – GTM タグ

(9) refund
実際にアップしてあるテスト用ファイル:
https://ga4-quick.and-aaa.com/ec_test/refund.html
refund – dataLayer


refund – GTM トリガー

トリガーのタイプは、「カスタム イベント」を使用しています。
refund – GTM タグ

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